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欧米諸国が日本の石炭利用に因縁つけてるのは、日本みたいに高効率(低CO2)の技術がないからですね。日本は半世紀かけて石炭ガス化複合発電を実用化した。熱効率もCO2排出量も天然ガスのコンバインドサイクル発電よりちょっと悪いくらいだ。欧米諸国は新興国市場でランニングが安く大電力が得られるIGCCで日本に無双されてはこまるんですよ。
石炭ガス化複合発電(IGCC)がすごいのは、日本が金にあかせて買ってる上質の石炭だけでなく、質の悪い石炭でも性能が出るところですね。これ新興国にはランニングが安くなって本当にありがたい。設備の中で、石炭→ガス→電力、って形になるので効率もよい。アンモニアや水素なんて比べ物にならない魔法みたいな発電所なんです。
石炭ガス化複合発電と水素製造やアンモニア製造って根っこは一緒なんです。石炭(C)を蒸し焼きにしてそこへ水蒸気(H2O)を吹き込むと水素(H2)と一酸化炭素(CO)ができる。それらガスをガスタービンで燃やすとIGCCだ。水素と一酸化炭素のまざったのを冷やして(ここで熱がムダになる)分離して水素ガスを作る。そのまま使えば水素エネルギー。大気を冷やして窒素を分離(ここでもエネルギーが要る)して高温高圧(当然外部から熱を加える)で水素と混ぜるとアンモニアができる。カッコの注記の通り、水素やアンモニアを作るのに外部からのエネルギーが要ったりロスがあったりするんですよ。当然エネルギー源は現状では化石燃料一択だからCO2も出る。IGCCなら石炭を燃やすだけだ。現状の水素やアンモニアって商業的もっと言うと政治的な理由で進められているだけで、科学的(工学的)な合理性ってないんですよね。ひやっしーめっちゃ叩かれてますけど、オレ的には水素もアンモニアもひやっしーと変わらんと考えてる。だから政府がひやっしーを政治的な広告目的で持ち上げるのは、文系マター的には合理的なんだろうなと。