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Shotato TSUDA

この話は、いろいろな論点を含んでいるとは思う。そもそも新聞は「いろいろな人を代弁する」ことを仕事としてやってきた。話を聞かせてもらい、それをもとに記事を書く。相手が専門家の場合、専門家の難しい話を「偉大なる素人」としてかみ砕き、それを分かりやすく一般読者に伝えるという想定があった。

しかしネットが普及して、その想定が揺らぐようになった。まず、専門家のなかに自ら積極的に情報発信する人がでてきた。そうなると仲介者としての記者の存在がむしろ目障りにもなる。不正確な要約や切り取りをされるぐらいなら、自分で発信したほうがよほどマシだということ。

不適切な要約に対する不満は昔からあっただろうけれども、それがより顕在化しやすい状況になっている。

構造的には、テロリストがネットで自ら情報発信するようになったことで、ジャーナリストを大事に扱う必要がなくなり、人質にしたり殺害したりするようになったのと同じと言えるかもしれない。

twitter.com/brighthelmer/statu

TwitterShotaro TSUDA on Twitter“このツイート。わりと不幸なすれ違いが起きていて、おそらく、この記者の方は「記事の全文を事前に見せろ」というリクエストに「それはできない」と言っていて、批判している専門家筋は「自分の発言がどのように要約されているのかを知りたい」という要望を出しているのではないか。この記者の方の次の”

他方、感染症対策や環境問題などが典型的だが、複雑な問題が政治や社会に大きな影響を及ぼすようになることで、記者が「偉大なる素人」のままでよいのかという問題もでてくる。専門知識をもった記者の存在も要請されるようになる。もちろん、経営が全般的に悪化していくなかで、どうやってそうした専門知識をもつ記者を雇用するのかということも問題になる。

さらに読者の問題もある。日本の新聞は、英米とは異なり、タブロイド紙と高級紙が分かれるような形での発展を遂げてこなかった。そのため、あくまで読者は「普通の人」だという想定がある。かつてそれは読者を広げるうえで有用だったのに対し、現状では「ある人にとっては難しすぎるし、別の人にとっては単純化されすぎ」というメディアになってしまった。

ネットで積極的に意見を発信する層は後者が多いだろうから、そういう人たちが「偉大なる素人」の書いた記事に満足できず、メディアの要約に不満を述べる専門家と同調して、メディア批判につながっているという感じではないか。