日本の「稼ぐ力」が衰えたのは、近代化が完了したからだと思う。前近代的な生活をしている人が(比喩的に、あるいは文字通りの意味で)「都会に出てくる」ことで豊富な需要が産み出されていたのだが、日本のどこにも近代的な生活様式がいきわたり、さらに人口が増えなくなって、しかも移民も拒絶しているので、どこにも買い替え需要以外のものが生まれなくなった。
では、再び国民の半分以上が何かを熱望し、かつそれを手に入れるにはそこそこ長い時間がかかる状況を取り戻すか…というと、まあ普通に考えてそれは無理だ。
というか、おそらく高度成長こそが持続不可能なものだったので、その夢をもう一度見ようとするのが無理なんだと思う。低成長というのが現実で、我々はそれに順応する方法を見つける必要がある。
つまり、問題は低成長なのに高収益を求めたがる社会・経済のほうにある。それだとゼロサムゲームに近くなるから、少数のホリエモン的成功者と多数の非正規労働者が必ず生まれる。格差を縮小させるには、極端な成功を抑制するほかない。
@lematin 「脱成長」で超富裕層を生まない社会や世界にするために、市民同士が気候正義、環境正義、社会正義で連帯し、日本でも文字どおり「生き残り」を賭けたグリーン・ニューディールを急いで具体化する必要があるけれども、選挙では「野党共闘」のような「修正資本主義」路線が大きな障害となっていて、それを超える議論が全く無い。