厳密に言うとちょっと違う。現代では、兵士には命令に従う前に「それは合法であるか」を判断することが認められる。合法でない命令に従うことは違法行為で、その結果に比例する刑罰の対象となる(国際刑事裁判所における戦犯裁判の判例など参照)。
要件を満たさない戒厳令は、それに基づいてくだされた命令を含めて違法であり、それに従うことも違法行為である。これは現代の軍隊の統制の根幹をなす。
「上官もまた軍人であり、当然、違法な命令は下さないと判断したので従った」という論法は「上官抗弁」と呼ばれ、「そのように考えるべきではない」という理由で裁判所によって却下されている。
また、「命令に従わなければ罰を受ける」という抗弁も、「想定される最大の罰は死刑であり、軍人は任務に就くにあたって死を前提としているのだから、それを恐れる必要はない」という理由でやはり裁判所によって却下されている。
@lematin アメリカでも軍人は任官のときに合衆国憲法に忠誠を誓います。上官や大統領に対してではありません。