「当時、議論になっていたものの一つに、新型コロナウイルスの感染経路があった。当初から、「飛沫(ひまつ)感染」「接触感染」が指摘されていたが、「空気感染」はあるのか。実は、この議論は日本だけでなく、世界を混乱させてきた。一つの問題は、何をもって「空気感染」とみなすのかが専門家集団によって異なってきたことだ。こうした混乱を背景に、世界保健機関(WHO)がこの4月、「空気を介して感染する病原体の用語の定義」について、報告書を公表した。WHOが世界各国の専門家や公衆衛生機関と議論を重ねた結果で、従来、粒子のサイズや飛距離などで分けてきた「飛沫感染」と「エアロゾル感染」の区別をやめ、別の区分けを提案している。エアロゾルは飛沫よりも小さい空中に浮遊する粒子を示す言葉として使われてきた。」
コロナの感染経路は?WHOが新たに定義したこと | 青野由利の「時を駆ける科学」 | 青野由利 | 毎日新聞「経済プレミア」 https://mainichi.jp/premier/business/articles/20240509/biz/00m/020/013000c