「今年デビュー10周年を迎えた上田岳弘さん。2月9日に発売された最新作『K+ICO(ケー プラス イコ)』は、ウーバーイーツ配達員のKと、TikTokerの女子大生・ICOが主人公だ」
「最近知って衝撃を受けたネットスラングに、「負け組ランドセル」というものがあります。ウーバーイーツの配達員たちが背中に黒い巨大なバッグを背負っている姿が、低学年の小学生が体に似合わないほど大きなランドセルを背負っている姿に似ているところから来たようです。その言葉には、正規雇用に就けずギグワークをしている人たちへの明らかな揶揄が含まれています」
「“負け組ランドセル”とは何か?」芥川賞作家・上田岳弘がウーバーイーツ配達員を主人公に新作『K+ICO』を書いた理由 | 読書オンライン - 本の話 https://books.bunshun.jp/articles/-/8722
「ネットスラングには、他にもえげつないものがいっぱいあります。どの言葉にも、相手のことをよく知らないのに、先入観だけでレッテル貼りをしてしまう、「ラベリング社会」の弊害を感じます。こうした風潮は、SNSの普及と表裏一体のように思えます。デジタル化による情報量の爆発で、ものごとの内実を細かく見ている余裕がなくなった。だから、とりあえず短くキャッチーなラベルを貼りつけて、「わかった気」になっている」
「“負け組ランドセル”とは何か?」芥川賞作家・上田岳弘がウーバーイーツ配達員を主人公に新作『K+ICO』を書いた理由 | 読書オンライン - 本の話 https://books.bunshun.jp/articles/-/8722